OGU面冠者 -Expert
1999.2.7 名古屋グランパスエイト 小倉隆史選手 応援HOMEPAGE 冠者110

OGU面冠者の文面は、今回に限り、100%知内星護の創造(想像)力を駆使して
つくられております。あたかも実在する某選手を連想させるような表現が多用されてはおりますが、
基本的には“事実に基づく”という憶測も可能なフィクションの「つもり」です。(???)

僕は、サッカーが好きだ。
小さい頃、やりたかった野球ができなかったから、サッカーをやることにした。

気がつくと周りにいる誰よりも上手くなっていた。自分の足でゲームをコントロールする“快感”を覚えたのは、この頃だったように思う。

そして、サッカーを好きになった。

中学・高校と、いくつかの小さなつまずきはあったものの、ほぼ全てが思い通りに叶えられていった。当然の如く、僕はプロになる道を選んだ。目の前に立ちはだかる壁を、ひとつ、ふたつと乗り越えていくことが、そのまま自信につながった。夢も野望も、どんどん大きく膨らんでいった。

いつの間にか僕は、サッカーをすることによって自分自身が喜びを“得る”と同時に、大勢の人達に喜びを“与える”立場になっていた。もはやそれが、僕にとっては当たり前だった。だからこそ、そういったことに関して深く考えたことは、それまであまりなかった。

恐いものなんて、何ひとつなかった。

オリンピック出場という、大きな目標があった。しかしながら、2度の大きな負傷により、それは果たされなかった。

手術をした。それは一見、成功したかのようにも思えた。「これで、もう、大丈夫」...が、真の意味での“挫折”は、その後にやって来た.....

おかしい。思い通りにプレーできない。身体が、言うことをきかない。
こんなはずはない、もっとやれる...でも、また、空回り.....
苛立ちと苦悩の日々が続く。僕は、大好きだったはずのサッカーで、笑えなくなっていた。

チームメイトがゴールを決めても、更にはチームの勝利にさえも、喜べなくなっていた。
僕はいつでもみんなより、何歩も先を歩いていた。なのにいつしか、どんどん、追い越されていくような...でも...いやしかし...だからこそ、そういうふうに考えたくはなかった。
焦りが自信を狂わせ、不安になると「僕は、僕だ」と言い聞かせた。

結果を出せなくなった僕は、当然のことながら、酷評されるようになった。
「以前のような溌剌としたプレーには戻らない」「スター選手によくありがちな過去の人」.....「もうおわった」とすら感じた人もいたようだ。
それでも、僕を信じて“待って”くれる人も、確実にいた。

僕がサッカーで怒りを得、怒りを与えるようになってから、(そう、当たり前だったことが当たり前ではなくなってから)初めて僕はサポーターの声援の“本当の有難さ”を実感するようになった気がする。

   〜何でサッカーなんて始めたんやろ?俺って、何なんやろ?〜

僕は、僕自身を“一番”信じることに決めた。
従来の悪しき慣わし「ケガで辞める選手」には、どうしてもなりたくなかった。
サッカーを、あきらめることが.....どうしてもできなかった!

選手生命を賭けて、大手術を受けるしか、僕に道はなかった。サッカーをやりたい!やりたくてたまらない!そのためだったら、僕は何でもやる!どんなに苦しくても、つらくても.....

そして今、見かけ上の「仮」戦線復帰は果たした。サッカーをする身体になり、ゴールする感覚も戻りつつある。既に舞台は整った。
でも僕はもっともっと、サッカーの“喜怒哀楽”全てをひっくるめて楽しみたいし、楽しませてあげたい。そのためには、より先を、より上を目指さなければならない。乗り越えてこその試練だし、試練は今もなお続いている。僕のシナリオは、まだ終わっていない。

僕のプレーに一喜一憂してくれる全ての人達のために。そして、何もかもを笑い飛ばせるであろうその日のために。

僕は、サッカーが好きだ!


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